体の歪みが気になる

体の歪みが気になる

体の歪みが気になる

初診の際に問診表を書いていただくと、

「体のゆがみが気になる。」

と、ご記入される方はよくいらっしゃいます。

猫背など背骨の歪みだったり、

骨盤や股関節の歪みだったり、

О脚だったり、

左右の足の長さの違いだったり。

それに対しての治療院側の説明も、

「歪みによって筋肉が緊張してかたくなっています。
それによって血流が悪くなって痛みが出ています。
ですので、矯正で歪みを取ると良くなります!」

という感じです。

 

でも、そもそも、 歪みって何なんでしょうか?

 

デスクワークでによって背中が丸くなって体幹前面や腕~手の筋肉も緊張することによってつくられる。

よくない座り方の影響で骨盤の歪みがつくられる。
そしてそれによって腰痛だけでなく肩コリや頭痛にもつながってくる。

内臓の疲れからの影響で背骨に歪みが出てくる。

手術や、捻挫など昔の怪我の影響で歪みがつくられている。

etc…

全部間違いではないと思います。私もそういう説明もしていきます。

でも、私たちが「歪み」とネガティブなニュアンスを込めて呼んでいるものの奥には、もっと何かしらの意味があるのではないでしょうか?

「猫は肩がこらないのか?」

あるセミナーで実際に質問したことがあります。冗談抜きで本気で。
あまり納得できる答えは返ってきませんでした。(笑)

ある9年前に受講したセミナーで、
「思春期の女性に多い特発性の側彎症の原因は厳格な父親です。」
と教えてもらったことがあります。

当時はよく意味が分からなかったですが、今は理解ができます。

細身で感受性の豊かなタイプの女の子にこういう側彎症が多いように臨床では感じます。

 

私が考えるところの「歪み」について簡単に説明すると、

 

外の環境(人、さまざまなモノ)との関わりの中で、自己の安定を図るためにつくられた

その人その人なりの内側からの表現

 

だと考えます。(全てではないですが)

猫背になれば、心肺の収まっているスペースが狭められ横隔膜の上下運動や内臓のはたらきにも影響がでます。
胸筋など前面の筋肉・筋膜は短縮され、肩背部後面の筋肉・筋膜は伸長されてしまします。結果、コリ感に繋がります。

でも、体の叡知はそんなことは百も承知なのかもしれません。

それを知ったうえで、

背中を丸めた状態になることによって得たい何か

があるのではないでしょうか?

デメリットを差し引いてもそうせざる負えない状況

それに耳を傾けず、知ろうとせずに、

「歪んでいるから」と、一方的に乱暴に矯正をしたらどうなるでしょうか?

一時的には矯正された状態になるのかもしれません。

でも・・・。

そうせざる負えない状況が変わらない限り、

体の内側の力は元の状態に戻ろうとするでしょう。

 

それが何なのか、できる限り体から教えてもらいたい。

そして、先細りのかりそめのジリ貧の均衡状態ではなく、本当に楽な状態になって貰いたい。

 

そういうふうに「歪み」と調整に対して考えております。

 

鬱の状態の方は背中を丸めた、一見元気のないような姿勢になることによって、エネルギーの消費を抑えた「エコモード」のように保ち命を守っています。いつかは背中を伸ばせる元気な状態になって貰えたらよいですが、すぐには無理です。今はその状態が良いのです。

 

 

 

最後に、骨盤の歪みが気になっている方へ
矯正を受ける際の注意点を

骨盤のゆがみは、表面上、結果的に歪みや硬さが出ていることが多いです。
例えば、右の骨盤が後傾して(仙腸関節が)硬くなっていたとしても、それは真の歪みではないことがあります。
この場合、右の骨盤の硬さは他の要因への反射で結果的に出ているだけで、矯正の必要がなかったり、矯正で余計に(部位と神経、脳とのつながり)をこじらせて悪影響を与えてしまう可能性があります。

初診の検査で骨盤をチェックされただけで

「骨盤が歪んでますね、じゃあ、矯正していきますね。横向きになってください。」

みたいなのは注意が必要です。

正しく学んでおられるカイロプラクティックの先生は、骨盤(仙腸関節)への矯正を施すにしても、しっかりと検査の手順を踏んで調整を施されると思います。

また、ベッドに寝た状態の検査で

「左右の脚の長さが違いますね、骨盤の歪みの影響からなんですよ~。」

骨盤矯正後 ↓

「今、足の長さが左右そろっています。骨盤の歪みが正しい状態になりましたよ。」

これもよくあるケース(やりとり)ですが、

脚の長さ(見かけ上の)がそろうことの意味を深く知らずに毎回患者さんが来るたびに骨盤を矯正してしまっている状況も多いと思います。

これは、治っていっておりません。体は余計に歪みを強くしていきます。
そろえた脚の長さも、家に着くころにはおそらく左右差が出ています。

 

骨盤部に限らずですが、

結果的に出ている「見かけ上の歪み」を追いかけず、

背景を俯瞰的に観ていきながら

「真の歪み」をベッド上に浮かび上がらせてクリアにしていく

これが肝要かと思います。

 

春ひなたひかり整体施療院